土葬する前に知っておこう|埋めた骨が土に還るのは100年後!?

「亡くなったペットを庭に埋めよう」
「土葬したけど、やっぱりかわいそうだから火葬してあげたい」

飼っている犬や猫などのペットが亡くなった場合、土葬することが主流だった時代もありました。

一部の地域では今でも土葬しているところもあるでしょう。

しかし現代におけるペットの見送り方法は火葬が主流となっています。

ここ数十年の間に土葬から火葬に移り変わったその理由は、ペットが家族として迎えられ、私たち人間と同じように弔いたいといった飼い主の要望が高まったからです。

とはいえ、ペットを火葬するという考えがなかった時代を過ごされた高齢の方の中には「亡くなったら土葬すればいいんじゃない?」と考える方もいます。

そこで今回は、ペットを供養する目線からみた土葬と火葬の違い、そして後悔しないための土葬について解説していきます。

shin
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ペットづくしな人生を歩んでます

土葬をすれば自然に還る、とは限らない

ペットの遺体、遺骨を「自然に還してあげよう」といった考えのもとに土葬を選ぶ方もいるでしょう。

いわゆる自然葬と呼ばれるものです。

ペットの遺体は地中で骨となりやがて骨さえも消え、土に還るといった考え方になります。

ここで知っておきたいのは、亡骸は地中の中でかなりの年月、数十年といった単位でそこにあり続けるということです。

おおよそ4,5年もあれば白骨化はしますが、骨が土に還るまでには至りません。

ですから土葬をして本当の意味で自然に還るのは、ずっとずっと先であることは理解しておきましょう。

土葬する前に、掘り返さないために知っておくこと

土葬とはどういったものなのかをしっかり理解していれば問題ないのですが、意外にも掘り返す人がいることをペット霊園に勤めていて実感しています。

その理由として多いのが火葬をして供養したい、といったものです。

何らかの理由で亡くなったペットの遺骨を掘り返すことになれば、土にまみれた遺骨を目の前にし、当時の悲しみや辛さが蘇ってくるであろうことは容易に想像できます。

いずれにしても、土葬をしたのちに再び掘り返すような行為はできれば避けてあげたいものです。

そこで、土葬をするならば後悔しないために知っておきたい4つのことを紹介します。

その他の自然葬の方法を知る

自然に還したいという思いから土葬を選択するのであれば、ほかの自然葬についても知っておきましょう。

・樹木葬
・海洋散骨
・空中散骨

これらが自然葬と呼ばれる主な選択肢になりますが、注意しておきたいのが場合によっては法的にグレーである、という点です。

例えば散骨自体を禁止とする法律はありませんが、モラルやマナーを守ったうえで行わないと場合によっては法に触れる可能性がありますので注意が必要です。

ちなみに土葬と樹木葬の違いは何?といいますと、火葬をした遺骨を埋葬し墓標として樹木を植えるのが樹木葬で、火葬をせず遺体をそのまま土中に埋めるのが土葬という認識でよいです。

金銭的な問題で土葬をする前に…

ペットを火葬するとなると当然それなりの費用で必要で、火葬先とペットの大きさにより2万~7万円くらいはかかります。

であれば、費用のかからない土葬を選択する方もいるでしょう。

ただ金銭的なことで土葬を選んだ場合、後悔する可能性があることも忘れないようにしてください。

家族全員が土葬することに賛成していますか?

引越しするとなったとしたら遺骨はどうしますか?埋めたままですか?

ペットを複数頭飼育している場合、その子が亡くなった時も土葬しますか?

自治体に火葬を依頼すれば費用はかなり抑えられますが、検討してみましたか?

もし1つでもひっかかる場合はもう一度話し合う、考え直してみることをおすすめします。

宗教における土葬の考え

土葬をする国としない国の大きな違いは宗教の違いです。

キリスト教やイスラム教が信仰される国では土葬も多くみられますがですが、日本のような仏教が浸透している国では火葬が主流となっています。

これは宗教ごとの死生観によるものです。

ですから土葬がよい悪い、火葬がよい悪いといった考えはありませんので、家族と話し合う場合には相手の気持ちと考えを尊重しあうことを忘れないようにしましょう。

火葬するとしないで何が変わる?

「土葬してもいずれ白骨化するんだから、火葬してから埋めても同じじゃないの?」

確かにそうかもしれませんが、違った角度からみると実は同じではありません。

火葬をすれば衛生面において問題ありませんが、遺骨はそう簡単に土に分解されません。

土葬であれば数十年単位とはいえ、分解され土に還るのも現実的です。

土に還す自然葬という意味では、火葬せずに土葬をするのがよいのかもしれません。

とはいえ、土葬をするならば環境や近隣への配慮は必須です。

掘り返し、火葬を依頼する人がいるのはなぜか?

ペット霊園に勤務していると、土葬してあった遺骨を掘り返したので火葬をしたいといった依頼が年に数件あります。

掘り返したその理由はそれぞれですが、なぜ火葬をしようと思うのか?

おそらくは掘り返したことによってどこか罪悪感やうしろめたさを感じ、供養をしてあげようと思うのではないでしょうか?

私たちは日本人は亡くなればほぼ間違いなく火葬をし、埋葬後は遺骨を目にすることはほぼありません。

掘り返すことになれば否が応でも遺骨を目にすることになるため、供養をしてあげないと…… と感じる方は少なくないのかもしれませんね。

土葬してもよい条件は3つ

私が思う後悔しないための土葬の条件は以下の3つです。

・金銭的な理由で土葬を選択しない
・何らかの理由で掘り返すかもしれないことを理解し土葬をする
・土葬をした遺体は簡単には土に還らないことを理解している

まとめ

日本では人の場合ほぼ100%火葬をしますが、ペットでは土葬することも選択肢として考えてもよいと思います。

ただし後々になって後悔しないようにすることが大切です。

土葬をすればそれこそ自分の孫子の代まで供養管理しなくてはいけません。そのことをしっかり覚えておきましょう。