auのペット保険、大手だから大丈夫なんて思ってませんか?保険料と口コミだけで判断するのはちょっとキケン

「auにもペット保険があるんだ」
「ペット保険は必要そうだし、とりあえず……」

 

最近では外資系や大手グループ会社の事業の1つとしてペット保険業を扱うところが増えています。

選択肢が増えることは消費者である私たちにとってよいことですが、それと同時に自分にあった保険を正しく選択する必要性がでてきます。

これをおろさかにしてしまうと「失敗した」「ペット保険なんて入らなければよかった」などといった、後悔や不満を抱えることになってしまいます。

そうならないためにも、保険料や口コミをもとに選ぶことは避け、しっかりメリットとデメリットを知ったうえでペット保険を検討しましょう。

今回はKDDIグループである『auのペット保険』についてちょっと厳しめに解説していきます(笑)

shin

ペットショップ➡動物病院➡ペット保険➡ペット霊園

ただそんな人

 

auのペット保険をおすすめしない理由

 

さっそくですが、私個人の意見としてauのペット保険はあまりおすすめしません。

いくつか理由はありますが、端的にいうと「他の保険と比べて見劣りするから」です。

auのペット保険の上位互換が他のペット保険で存在しているといってもよいかもしれません。

ですからわざわざauのペット保険を選ぶのはどうなのかなー、と思っています。

以下にその理由と説明をしていきますので、参考にしてみてください。

中高齢期の保険料が高い

多くの方がペット保険選びの基準とする保険料ですが、auのペット保険はペットが若齢期の時は安く、中高齢期になると高くなる特徴があります。

ペット保険は1年ごとに更新が必要で、基本的にはどのペット保険も毎年保険料が上がっていきます。

この時の保険料の上がり方は保険会社ごとに異なるのですが、auの場合は他と比較したときに急カーブを描きます。

ペット保険料比較グラフ

上の図は0歳から18歳まで同じペット保険に入っていた場合、それまでに払った保険料の総額を表しています。(ここではこの総額のことを、生涯保険料ということにします)

つまりカーブが急であるほど、翌年の保険料がグッと高くなることを表しています。

auのペット保険はなかなかの急カーブですね……

初めてペット保険に契約する若齢期では、保険料が安いので入りやすいかもしれませんが、中高齢期になると保険料が高く、家計を圧迫するかもしれないため、先を見据えた保険選びが大事です。

「保険料が高くて続けられない」なんてことにならないように注意しましょう。

口コミの内容が役に立たない

口コミは実際に商品を購入した、使用した人の体験から得られる感想なので貴重な情報源です。

ということでauのペット保険の口コミを見てみました。

口コミ

・大手の会社なので安心
・auスマホのユーザーなら申し込みや支払いが簡単
・かかりつけ獣医師ダイヤルが便利
・使用回数に制限がないから使いやすい  など

これau公式ページにauペット保険の特徴として書いてあることがそのまま口コミ情報になったようなものなので、役立つ情報はないに等しいですね……

大手だから安心というのは今の時代通用しないですし、かかりつけ獣医師ダイヤルなるものも、他のペット保険でも同様のサービスがあります。

役立つような口コミがないのは、良くも悪くも熱心なauのペット保険ユーザーがいないことと同意ですので、選ぶにあたってプラス要因にはなりません。

更新できない可能性がある

ペット保険で定期的に炎上するできことがあるのですが、その原因は突然更新できなくなった、更新を拒否されたといったものです。

更新はどの保険会社であっても1年毎の更新で、更新のための審査が設けられています。

契約期間中に保険請求の回数や保険金の支払い額などといった審査内容ですが、その際に多くの保険利用や請求があった場合には、最悪更新を拒否される可能性があります。

とはいえ、ごく稀にこういったことがあるという点は理解してもらって、決してペット保険は契約者を騙すような悪いサービスではありません。

更新を断る可能性があると、契約書にしっかり記載されていますし(「わかりづらい」という意見は確かにそうですが)、保険と言えど慈善事業ではありませんからね。

それにすべてのペット保険会社が更新拒否の可能性があるわけではなく「生涯更新できます」と明言している会社も当然あります。

今回紹介しているauのペット保険は約款にも記載してある通り、更新できない可能性があることをしっかり知っておかなければなりません。

あまり気にされない方が多いのですが、私個人としては重要な項目だと思っています。

保険はいつ起こるかわからない事故や病気に備えるものなので、生涯継続することでその有用性があるからです。

必要な時に保険が更新できないとなったら、炎上してしまうのもまぁ理解できます。

auのペット保険の良いところ

デメリットを紹介してまいりましたがメリットも当然あります。

以下を参考にしていただき、他社との比較に活用してもらえばと思います。

若齢期の保険料は安い

auのペット保険は中・高齢期は確かに高いですが、0歳や1歳の頃の保険料は安い部類に入ります。

まずはペット保険を試してみたい、といった理由であれば検討もありなのかなと思います。

10歳まで加入できる

ペット保険は7,8歳を境に新規契約できない保険が多くあります。

そうなるとシニアプランを準備している保険会社を探すか、高齢でも契約可能な保険会社を探すほかありません。

auのペット保険は10歳まで新規契約可能なので、年齢がネックとなっている方は検討してもよいかもしれません。ただし、そこはやはり保険料が高いので他社と比較すると優位性は低くなってしまうんですよね。

保険の使用回数や一日当たりの限度額がない

人の健康保険は使用回数制限や限度額なんてものはないですが(人の場合限度額はあっても高額療養費支給制度などが整備されている)、ペット保険は契約期間中の保険の使用回数や一日に支払われる保険金の限度額が細かく設定されている場合があります。

その点auのペット保険はそういった心配がなく、1年間の保険金限度額内であれば気にせずに使うことができます。

気になるポイントの解説

公式ホームページや約款を見て、個人的に気になるポイントをピックアップしてみました。

初めてペット保険を選ぶ方にとってわかりづらい、もしくは気づきにくいポイントなので参考になると思います。

「24時間電話対応ペットのトラブル」サービス、それって便利なの?

公式ホームページにあるように

保険の契約時に登録した電話番号からであれば、24時間365日、深夜でも休日でも、無料(通話料は利用者負担)でペットにかかわるいろいろな相談ができるというサービス

動物病院がやっていない時間などは確かに便利そうですが、これがよいのかどうかの判断は結構むずかしいところです。

「おしっこが出ない」「呼吸が苦しそう」などと言った緊急性のある相談をした場合、結局のところ動物病院に連れていかないとどうしようもありません。

電話で悠長に相談なんてしていたら命をキケンにさらすこととなります。

「下痢が続く」「咳を頻繁にする」といったものであれば相談することによって、一時の不安解消になるかもしれませんが、やはり病院に連れていって診てもらわなければなりません。

その他、しつけや食事の相談などはよいかもしれませんが、この電話サービスにどこまで価値を感じるかはその人によって大きく異なるでしょう。

またこの手のサービスは、人気のあるその他のペット保険であれば多くが運用しています。

ですから、このサービスがauのペット保険を選ぶポイントにはなりづらいのかなと思います。

補償限度額使い切りで更新不可!?

auだけではありませんが、保険金の支払い限度額が設定されています。

ペット保険補償条件

引用元:auペット保険公式ページ(2023.2月時点)

約款によりますとこの支払い限度額を超えた場合には保険が失効、つまり翌年以降は契約解除になると書かれています。

au約款

引用元:auペット保険公式ページ<普通保険約款(2023.2月時点)

これをデメリットとしてあげているサイトを見たことがありますが、実際のところ限度額を使い切る可能性はかなり低く、気にするレベルではありません。

通院・手術で年間100万円、通院で年間40万円の治療費という計算になるので、ここまでかかるケースは私が動物病院に勤務していた時でも記憶にないです。

保険金請求が手間

保険金の請求は、アニコムとアイペットは窓口清算ができる提携病院が多いため便利ですが、それ以外のペット保険はすべて保険金請求という手順を踏まないといけません。

auは書類の郵送もしくはスマホやWebで完結するようですが、手間と言えば手間。

 

auペット保険の炎上事件

2023年2月にauペット保険のテレビCMが流れました。

猫が自宅警備をしているかの如くベランダの手すりの上を歩き、万が一落ちたら大変だからペット保険に入ろう。

そんな内容でした。

猫が高所から落ちる危険性があるのに(実際に猫が落ちて亡くなる事例はあります)それをネタにしてCMを作ってしまった結果、会社のモラルを問われるものとなり炎上しました。

猫と長く暮らしていくには室内飼育がもっとも大切だということは、ペット業界にいれば当然わかることです。

ベランダの手すりの上なんて危険な場所に猫を行かせないように啓発していくのがペット業界人の務めです。

炎上待ったなしのCMだったということでしょう。

まとめ

はじめに辛口で紹介するといったように、auのペット保険を選択する理由は私個人的にはナシかと思います。

ペット保険は群雄割拠といってもよい時代ですので、口コミだけを信用せずに自分で調べてこれだと思うものを選んでください。

ペット保険はいらないという選択も忘れずに!(笑)